アドラー心理学における「劣等」について①
皆さん、こんにちは。
今回は、アドラー心理学における「劣等」についてお伝えしていきたいと思います。
アドラー心理学において、「劣等」に関する定義が3つあります。
①劣等性
これは身体の器官や内臓、骨などに障害を生まれながら持っていること、又は事故などで人生の途中から何らかのハンディキャップを持ってしまったことを言います。なので「器官劣等性」とも言われます。
②劣等感
これは自分の理想や目標と今の自分を比較して、そのギャップが大きい時などに感じるネガティブな感情を総称して、劣等感と言います。アドラーは劣等性と劣等感の違いを、「劣等性は客観的事実、劣等感は主観的事実」と認識していたようです。
③劣等コンプレックス
これは病的な劣等感を持っている状態のことです。例えば、「自分は何をやってもダメな人間だ」や「自分は世界一不幸な人間である」などと言って、目の前にある問題や課題を回避しようとする状態をこのように言います。
これとは反対のものとして、優越コンプレックスというものもあり、こちらは「自分は一流大学出身である」や「自分はたくさんの友人がいる」などと、自分は誰よりも優れているという実感を感じられずにはいられない状態をこのように言います。
アドラー心理学において、治療の対象となるのは③の劣等コンプレックスや優越コンプレックスなどの過度に劣等感や優越感を持ってしまっている人をその呪縛から解放してあげることが治療の目的であると言えます。
次回はこの過度な劣等感や優越感から抜け出すための方法についてお伝えしていきたいと思います。