早期回想分析について⑤
しかし、前回の方法はマイナスの回想に対する分析には効果的ですが、第1回目でもお伝えしたように、早期回想にはプラスの回想もあることを忘れてはいけません。このようなプラスの回想は、話者の「幸福の条件」が隠されており、話者の幸福とはどんなものなのかを分析することが分析の目的になります。
例えば、「小学校3,4年の時に学校の休憩時間、同じ塾に通っていた同級生たちが昨日宿題を教えたことを感謝してきた。とても教え方が上手であると評価してくれて、とても気恥ずかしかった。」(印象にあるのは3人が自分をほめている場面)という例で幸福の条件を考えてみたいと思います。
まずは、回想の要点を表すために、重要な部分を抜き出します。
「学校の休み時間、同級生、昨日宿題を教えたことを感謝されたこと、教え方が上手だと評価されたこと」
次に、それぞれの文をつなげてみます。
「学校の休み時間に、同級生たちから、昨日宿題を教えたことを感謝され、教え方が上手だと評価された」となり、これが今回のストーリーです。
では、このストーリーの幸福の条件を探してみたいと思います。その為にはそれぞれの言葉が何を意味しているのかを分析してみなければなりません。なので、次週はそれぞれの言葉の意味を実際に分析することで、その分析方法をお伝えしていきたいと思います。